横川シネマ
(
広島 )
〒733-0011 広島県広島市西区横川町3-1-12

- 上映作品
- 『7s』『帰ってきた あぶない刑事』『LAPSE』
- 上映期間
- 11月29日(土)〜12月5日(金)
- 登壇日
- 11月29日(土)
- 登壇者
- 藤井道人(『7s』監督) 原廣利(『帰ってきた あぶない刑事』監督)

▶︎『帰ってきた あぶない刑事』(2024)
(監督:原廣利)
▶︎『LAPSE』 (2019)
(監督:志真健太郎・アベラヒデノブ、プロデューサー:山田久人・藤井道人)
▶︎『7s』 (2015)
(監督:藤井道人、出演:アベラヒデノブ)
©2024「帰ってきた あぶない刑事」製作委員会 ©BABEL LABEL ©7s/セブンス製作委員会
上映スケジュール
12月1日(月)
12:30〜 『LAPSE』
14:35〜 『帰ってきた あぶない刑事』
12月2日(火)
12:30〜 『帰ってきた あぶない刑事』
14:50〜 『7s』
12月3日(水)
12:30〜 『7s』
14:30〜 『LAPSE』
12月4日(木)
12:30〜 『LAPSE』
14:35〜 『帰ってきた あぶない刑事』
12月5日(金)
12:30〜 『帰ってきた あぶない刑事』
14:50〜 『7s』
※劇場HPはコチラ
広島国際映画祭《BABELLABEL連動企画》ティーチイン&全国ミニシアターキャラバン舞台挨拶レポート
藤井道人や原廣利にとって、広島国際映画祭の前身であるダマー映画祭は、キャリアの「原点」となった場所。そんな特別な場所・広島の地で、初日は映画祭会場(NTTクレドホール)、二日目は横川シネマを舞台に、両監督が登壇。創業期から現在に至るまでの「軌跡と奇跡」を、熱く、そして飾らない言葉で語り尽くしました。
1日目(11月28日):広島国際映画祭《BABELLABEL連動企画》「15年の軌跡と奇跡」ティーチインBABEL LABEL所属:藤井道人・原廣利監督登壇!
映画祭のイベント会場にて「15年の軌跡と奇跡」と題されたティーチインが開催されました。満員の会場を前に、ダマー映画祭での挑戦や、広島の映画文化が持つ熱が、今のBABEL LABELの原点であるという想いを胸に、登壇しました。


BABEL LABEL設立の経緯を語る中で、会社員であった原監督が、藤井監督の自主映画『埃』を見た瞬間、「本当に会社員をやってる場合じゃない。本気で監督を目指すのであれば、今辞めないとダメだ」と、会社を辞める決意をした経緯を明かし、『埃』という作品は藤井監督の原型がある作品なので是非観て欲しいと呼びかけました。さらに、自主制作時代から商業ドラマ制作に移行する中で、藤井監督は制作会社としての苦悩を吐露。ビジネス面での厳しい現実に直面したことを告白しました。その結果、「制作会社だけじゃなくて、自分たちで企画から作り、自分たちの映画をちゃんと作っていこう」という、現在の「コンテンツスタジオ」としての体制へと移行したと、ターニングポイントを語りました。質疑応答コーナーでの演出論に関する質問に対しては、藤井監督は「僕にとっては、その人たちをキャスティングしたからには、その人たちが一番最大化できるやり方を探すのが自分の仕事だなと思っている」と、俳優を型にはめるのではなく、個性を引き出すことを最優先していると伝えました。原監督は、藤井監督の演出スタイルについて、自主映画時代のエピソードを交えて言及。「藤井さんは俳優部と話すのがすごく上手いんですよ。コソコソ喋ってて、誰にも聞かれないように喋っていて」と、俳優が抱える不安を現場に入る前に解消するための藤井監督のコミュニケーションの工夫を明かし、自身もその手法を学んでいると語りました。
イベントの様子はBABEL LABEL公式インスタグラムでアーカイブ配信中。
2日目(11月29日):横川シネマ「全国ミニシアターキャラバン」登壇イベント①『帰ってきた あぶない刑事』上映後舞台挨拶開催!BABEL LABEL所属:原廣利監督登壇
会場を横川シネマに移し、BABEL LABEL全国ミニシアターキャラバン第14弾:横川シネマが幕を開けました。原廣利の初長編監督デビュー作『帰ってきた あぶない刑事』と、藤井道人監督のインディーズ初期作『7s/セブンス』が上映され、ミニシアターの観客との交流を深めました。
まずは、『帰ってきた あぶない刑事』上映後に原監督が登壇。短時間のトークながら、「本当に嬉しいですよね。公開から1年が経ち、こうやって見ていただけるお客さんがいると、こちらも作ってよかったと励みになります」と心境を述べた。館ひろしさん、柴田恭兵さんについて、原監督は、「現場でのアドリブを相談しながら撮影しているのがとても印象的だった」など、主演の二人のプロフェッショナルな姿勢を明かしました。さらに、撮影中、父親(原隆仁監督)がカメラマンに語った、「どう撮っても君たちがあぶない刑事を撮るんだ!っていう思いさえあれば、あぶない刑事になるんだよ」という言葉を胸に、大作に挑んだエピソードを披露しました。

続いて、横川シネマ「全国ミニシアターキャラバン」登壇イベント②『7s/セブンス』上映前舞台挨拶開催!BABEL LABEL所属:藤井道人・原廣利監督登壇
藤井監督は、「広島が本当に自分たちを育ててくれた一つの場所で」と、映画祭の代表・部谷京子さんとの出会いを始め、広島の映画コミュニティ全体への感謝として、ミニシアターの観客に伝えられました。配信ドラマなどで活躍の場を広げた今もなお、藤井監督はミニシアターが原点であることに言及し、「もともとは劇場で、自分でもぎりをして、自分で上映ブザーを鳴らして、自主上映をやっていたところから監督になったので。こういうコミュニケーションというか、こうやって観客の皆様の前でお話しさせてもらえば非常に貴重な経験だなと思っています」と語り、インディーズ時代から応援してくれた全国のミニシアターへの感謝を改めて強調しました。
そして、『7s/セブンス』について、藤井監督は、企画頓挫の悔しさを「ほぼ実話」として書き下ろした脚本であることを告白。インディーズ時代の壮絶な予算事情、当時の苦労と現在の撮影環境の変化などを対比させ説明し、藤井監督は最後に、「まずは今日、その原点でもある『7s/セブンス』という映画を、本当に僕らの自伝だと思って観ていただいて結構ですので、何か感慨深いものを残していければなと思います」と伝えました。続いて、原監督は、「映画ってやっぱり見られて完成するものだと思いますので、そういったのを何回も体験していただけるのは、すごく僕らにとってもありがたいことなんだな」と、ミニシアターで上映を続ける意義を熱く語りました。


イベントの締めくくりとして、キャラバンを通して実施されている「旅するパネル」との記念撮影へ。このパネルには、「あなたにとって、ミニシアターとは?」という質問に対して、これまでキャラバンを巡ってきた各地のミニシアター支配人の方々から、寄せ書きのように答えていただいているものです。横川シネマの溝口徹支配人からは「僕にとっては避難所でした。一人になりたい時も一人でいたくない時もいていい場所」という、ミニシアターの存在意義を深く表す言葉が寄せられ、会場は温かい拍手に包まれました。


その後登壇者によるサイン会が実施されたのち、映画『7s/セブンス』の上映がスタート。登壇者2人の自主映画制作時代を振り返るような本作に対し、上映後には自然と拍手が湧き上がり大盛況の中幕を閉じました。

1年を通し15個の全国のミニシアターをまわるBABEL LABEL全国ミニシアターキャラバン、残すはあと1箇所。東京・渋谷の「ユーロスペース」で12月13日(土)〜21日(日)の9日間で開催予定。それぞれの上映後にはゲストが登壇する舞台挨拶も予定しています。上映作品や登壇者など詳細は、「BABEL LABEL15周年特設サイト」で、随時更新中。
より深く作品を知る機会、そして新たな出会いのきっかけになるので、是非、参加してみてください。