シネ・ウインド
(
新潟 )
〒950-0909 新潟市中央区八千代2-1-1 万代シテイ第2駐車場ビル1F

- 上映作品
- 『正体』『LAPSE』『7s』
- 上映期間
- 3月22日(土)〜28日(金)
- 登壇日
- 3月22日(土)
- 登壇者
- アベラヒデノブ(監督)、 山田久人(BABEL LABEL代表、プロデューサー)

『正体』
(監督:藤井道人)
『LAPSE』
(監督:志真健太郎・アベラヒデノブ、プロデューサー:山田久人・藤井道人)
『7s』
(監督:藤井道人、出演:アベラヒデノブ)
©2024 映画「正体」製作委員会 ©BABEL LABEL ©7s/セブンス製作委員会
舞台挨拶レポート
2025年3月22日(土)〜28日(金)、新潟県の映画館「シネ・ウインド」にて、BABEL LABELの監督やプロデューサーが今年一年を通して全国のミニシアターを巡る特集上映「BABEL LABEL 全国ミニシアターキャラバン」を開催しました。本企画は、株式会社BABEL LABELが15周年を節目に、 BABEL LABELを育て、支えてくれた原点であるミニシアターに監督やプロデューサーが感謝の気持ちを伝えにいくという目的で始まりました。
今回、キャラバン第一弾の劇場となるシネ・ウインドでは、藤井道人の応援団でもある新潟藤井組の皆さん、そしてシネ・ウインドのスタッフの方々とも昨年より話し合いを重ね、映画『正体』『LAPSE』『7s』の3作品が上映されました。

22日(土)シネ・ウインド初日には、本企画初となる舞台挨拶が開催。BABEL LABELからアベラヒデノブ(監督)と山田久人(BABEL LABEL代表・プロデューサー)が、初めてシネ・ウインドを訪問しました。
当日、シネ・ウインド入り口には、既に新潟の応援団(新潟藤井組)によって制作されたメッセージポスターが多数掲示され、上映作品(「正体」「LAPSE」「7s」)に対する想いを記したポスターや、登壇者へのウェルカムメッセージなどで登壇者二人を温かく迎えてくれました。
そして、「LAPSE」「7s」の、二本立て上映後に初日舞台挨拶がスタート。まず登壇者のアベラヒデノブ(監督)と山田久人(BABEL LABEL代表/プロデューサー)から一言挨拶。アベラは、「新潟という地に降り立つことができて感動しています。(新潟藤井組の)噂はかねがね伺っております。今までお世話になりました。引き続きよろしくお願いいたします」、山田は、「短い時間ではありますが、アベラと一緒に皆さんを楽しませられればと思います」とコメントしました。
「LAPSE」では、アベラが監督、山田がプロデューサーを務め、「7s」ではアベラが脚本、役者としても出演しています。久しぶりにこの2作品を上映するにあたって二人のそれぞれの気持ちを話しました。
アベラは、「7s」については撮影自体は12年前で、東京の神楽坂で山田、藤井、アベラの3人で住んでいた当時のお話しを展開し、「山田と藤井が学生の頃から立ち上げた「7s」という企画を長編映画の形にしようと作られたのが「7s」だった」と制作に至った過程を説明。それに対し、山田は「元々(BABEL LABELは)大学生の頃からの集団ですが、「7s」にあるように完成しない映画がやっぱりあって、そんな実話をもとにしています。そういう壁を乗り越えてきて今がある。今だとなかなか見るのがきついなという気持ちもある」と振り返りました。
数年後に制作した「LAPSE」は、アベラは山田から「つまんない」と言われた過去を明かし、それに対して山田は「今でも社内では監督陣同士がそう言い合っている」とコメント。愛ゆえの罵り合いだとまとめ、客席にあたたかい笑いが起きました。

続いて、何者でもない自分たちを支えてくれたミニシアターに対する想いを語りました。
山田は「元々BABEL LABELは藤井筆頭に“何者でもない映画好き少年の集まり”だったので、最初は外から”映画を作ってください”という依頼はなくて、自分たちで勝手に映画を作って、原宿のキネアティックというミニシアターで自分たちでもぎりして、自分たちで舞台挨拶して、お客さんを呼んでというところからスタートしている。本当に何者でもないところを助けてもらったのがミニシアターだった。そういうスタートの中で、今回、節目となる15周年をきっかけに全国のミニシアターを回ろうと話したのが、すごくみんなの中で腑に落ちて、すごく強い気持ちで臨んでいます」
続いてアベラは、「自主映画を監督させていただいていて、誰にも届かないんじゃないかと不安を抱えていた時に、ミニシアターの方が作品を観てくださって、”いやいや、俺は面白いと思うよ”とたった一言くださって、それがすごい救いになって次に進むエネルギーをいただきました」「もちろん自分たちでもお客さんを呼ぶのですが、何よりもミニシアターには劇場に足繁く通ってくださる、その土地のファンがいらっしゃると思います。そういった方々と出会い、映画愛を身近に感じることが出来ますし、いつも温かく迎え入れてくれることに、やっぱり感謝しかない。そこで伝えてくださった感想というのが今後の生きる糧になって、”監督やめようかな”と悩んだ時にその人の笑顔が浮かんで、”もう一本だけ撮ろうかな”という気持ちになります。そいういうのもあって、僕はBABEL LABEL 15th BOOKにミニシアターは『映画人のおうち』と書きました(笑)そう意味でもミニシアターさんは感謝しかない場所ですね。」
その後、15周年特別冊子として制作された「BABEL LABEL 15th BOOK」の完成を発表。
BOOKを手に取り、二人は、たくさんの人たちに育ててもらったものを自分たちでも振り返ろうと思って作ったのでとコメント。
観客とのQ&Aコーナーでは、司会進行を藤井組の一員でシネ・ウインドでも数多くの企画を実現してきた中村賢作さんにバトンをタッチしました。観客からの「「LAPSE」のAIというテーマはどうやって決まったか?」という質問では、山田は「いまだに、僕たちが映画を作る意味を考えた時に、かつて未来を描いた作品に憧れていた自分たちのように、いまのお客さんにも監督陣たちが自分たちの未来をどう想像して、どう描くかということをメッセージとして届けたいと思ったので、このテーマにしました」と作品を作る上での真意を語った。
アベラが監督を務めたドラマ「あの子の子ども」や、「「LAPSE」のAIをテーマにした作品だが、なぜそのテーマにしたのか?」の質問に対して、「クリエイターとしてどういう未来にしていきたいのかといようなメッセージをちゃんと伝えられるんじゃないかなというところで僕と藤井で監督を選抜して、それだけを縛りにしてオムニバスを作りました」と過程を説明しました。
新潟を第一回として選んだ理由を聞かれ、山田は「シネ・ウインドや新潟に関しては、かなり前から藤井道人が助けていただい他ので、この企画のスタートの地とさせていただきました」と答えました。
最後に、残念ながら会場には来れなかった藤井道人からもメッセージが届きました。「本日は改めてありがとうございます。映画というものが、昨今の大量消費されていく時代にこうやって作品をまたスクリーンで観ていただける、また7年越し10年越しと時が経っても、みなさんにこの場所で観て体験していただけるというのが映画の素晴らしさですし、そういうのをもう一度教えてくれるのがミニシアターの素晴らしさだと体感しております」とミニシアターに対する感謝と、その場でしか出来ない体験の素晴らしさについて話した。続いて「本当は今日から1週間くらい泊まりたいんですけど(笑)本当にそこの寂しい想いを胸に、今日はすごく皆さんからパワーをいただけたなと思うので、これからも、本当に面白い作品を作って、またここで上映して、次は1週間泊まって、新潟でプシュができるように、恩返しできる日を夢見て頑張り続けます。本当に今日は有難うございました」
最後に山田から「これからBABEL LABELがミニシアターで色々回っていきますが、これで終わりじゃなくて、シネ・ウインドさんも40周年ということで、我々も5年後10年後も、またお会い出来るように頑張っていきます。ぜひ今後も応援していただければと思います。本日はどうも有難うございました」