サツゲキ
( 北海道 )

〒060-0062 北海道札幌市中央区南2条西5丁目6−1 狸小路5丁目内
上映作品
『DIVOC-12』『青春18×2 君へと続く道』『ヤクザと家族 The Family』
上映期間
5月16日(金)〜5月22日(木)
登壇日
5月17日(土)
登壇者
林田浩川(監督)小野翔平(俳優)
劇場URL
https://www.cinemasunshine.co.jp/theater/sapporo/

▶︎『DIVOC-12』

(「名もなき一篇・アンナ」監督・脚本:藤井道人/「タイクーン」監督・脚本:林田浩川)

▶︎『青春18×2 君へと続く道』

(監督:藤井道人/ 脚本:藤井道人・林田浩川/プロデューサー:前田浩子・瀬崎秀人)

▶︎『ヤクザと家族 The Fmaily』

(監督・脚本:藤井道人)

 ©2021 Sony Pictures Entertainment (Japan) Inc. All rights reserved. ©2024「青春 18×2」Film Partners ©2021『ヤクザと家族 The Family』製作委員会

舞台挨拶レポート

この度「全国ミニシアターキャラバン」第三弾の5月17日(土)にBABEL LABELから林田浩川監督と、ゲストに『DIVOC-12』の1本、林田監督の作品「タイクーン」の主演を務めた小野翔平が登壇した舞台挨拶が実施されました。

 5月16日(金)〜22日(木)、北海道札幌市にある映画館「サツゲキ」にて、BABEL LABELの監督やプロデューサーが今年一年を通して全国のミニシアターを巡る特集上映「BABEL LABEL 全国ミニシアターキャラバン」を開催しました。

 本企画は、株式会社BABEL LABELが15周年を節目に、 BABEL LABELを育て、支えてくれた原点であるミニシアターに監督やプロデューサーが感謝の気持ちを伝えにいくという目的で始まりました。キャラバン第三弾目となるサツゲキは、2020年コロナ禍にクラウドファンディングで再建した札幌の地域に愛され続けてきた映画館です。

 上映される作品は、藤井道人、林田浩川、ナカモトユウ監督が参加している映画『DIVOC-12』(2021)、そして藤井道人監督映画『青春18×2 君へと続く道』(2024)と、映画『ヤクザと家族 The Family』(2021)。『青春18×2 君へと続く道』では林田広浩川も脚本で参加しています。

 サツゲキの入口には、全国ミニシアターキャラバンの詳細や登壇情報の張り紙、そしてロビーには特設コーナーにて上映作品の紹介が掲出され劇場の横澤支配人が登壇者を迎え入れてくれました。

モダンなキッチン

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 オムニバス映画『DIVOC-12』上映後舞台挨拶がスタート!冒頭、ミニシアターでの思い出について尋ねられた林田は、自身が幼い頃から近所のミニシアターに、足繁く通っていたと話した上で「小さいシアターは、隣にどんな人がいて、前にどんな人がいて、という雰囲気がわかるじゃないですか。みんなで一つの映画を観ているという感覚が、大きいシアターより強く感じられます」と最近特にミニシアターと大きな映画館との違いを感じるようになったと述べました。さらに、「ミニシアターは、地元の感覚がやはり強いと思っていて、“サイズ感”や“場所”といった在り方が、映画を個人的に、パーソナルに吸収する一つの場所としてすごく魅力的で大きなシアターとは違うところなので大切にしていきたい」とミニシアターの魅力を語りました。

 そして、今回初めてサツゲキに来訪した小野は、最初に目に入った会場の壁に書かれた多くのサインについて、「このシアター4の映写機とスクリーンが元々あった東宝プラザのものをそのまま使用していると知り、時代が移り変わって、シアターがなくなっても新しいシアターで引き継がれていく。そういった古き良きものがずっと続いていくのがとても素敵だなと思いました」と、サツゲキ来訪を通して感じた、長い歴史に繋がれた想いの大きさについて語りました。

テキスト, ホワイトボード

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 「コロナウイルスをひっくり返したい」という思いから始まった、コロナ禍でのクリエイター支援プロジェクトである映画『DIVOC-12』。「タイクーン」の作品制作に至る想いを尋ねられた林田は、コロナ禍でプロジェクトが止まり誰もが映画を作れなかったという当時の状況を振り返り、そうした状況下で藤井道人監督から「短編を作ってみないか?」と声をかけられたことがきっかけだったと語りました。そして「どのような作品を作るべきか考えた時、(当時のコロナ禍の状況において)もしかしたら、この作品が自分が作れる最後の作品かもしれないという危機感があったので“一番パーソナルなものを作りたい”と思った」と振り返り、「父親が難民としてバブル期の日本に来て、その当時、バブル期の横浜中華街はお金もあって活気もすごかった。そんな中でついこの間まで貧乏でお金もなくて食べ物もあるかどうかという難民の人が、バブル期の空間に入れられた時にどんなことを感じるのだろうか?」と元々自身のルーツと繋がりのある物語を長編映画として書いていたと語り、今回藤井監督のアドバイスにより短編として撮ることになったと明かしてくれました。また、「タイクーン」で主人公シン役を演じる上での役作りについて尋ねられた小野は、自身が主人公シンと似たバックグラウンドを持っていたのが演じるきっかけで、そこから役を掘り下げていったと話しました。「出演が決まってからは毎週のように横浜中華街に赴き、監督と実際に街を散歩し、現地の空気感をたくさん感じました」と撮影前のエピソードも語りました。それに対し、林田は、「めっちゃ散歩したのを覚えています!」と当時を振り返り、作中に出てくる中華街のシェフのエキストラとして自身の親戚を集めてきたという裏話も明かしました。小野は、「どうやら僕の猫背が林田監督のお父様に見えたらしく、それでオーディションに受かったらしいです」と登壇直前の林田から明かされた初耳エピソードを共有しました。

 船の上のシーンで共演した窪塚さんについて尋ねられると、小野は、「ただ窪塚さんがかっこよくて…本当にかっこよかったです」と窪塚のお芝居の印象を語りました。林田は、「撮影時間が押してしまったにも関わらず、窪塚さんが後ろからお尻を叩いてくれ「俺、ケツの時間とかないから好きにやりなよ」と言ってくれました」と窪塚さんの言葉に助けられたというエピソードを明かしました。

 観客とのQ&Aコーナーが始まり、「ようこそ札幌へ!」という質問者からの歓迎の言葉の後に、繋がりの強い役者について聞かれた林田は、「林田組というのはまだ作っている途中なのですが、やはり一緒に一つのキャラクターを作った方はとても印象に残っていて、どうやってコミュニケーションを取ったのかというのも肌にずっと覚えています」と回答しました。さらに、「小野さんとは「タイクーン」以外にも昨年配信されたドラマ「インフォーマ-闇を生きる獣たち-」をきっかけに再会しており、今後も一緒にやっていきたい」と語り、対して小野は「バディになれるように頑張ります」と林田の想いに応じました。

 さらに、長編と短編の制作の違いについて尋ねられると、林田は、自身がまだ長編を作っていないためあくまでイメージだと伝えた上で、「長編でも短編でも、限られた時間の中で作らないといけないというプロセスの上では、やることは同じなのではないかと思います。ただ短編は数分という短さであるということで色んなことが説明できない。その中で何かひらめきや答えを出さないといけない時に、どう作品に印象をつけるかは、長編とは少し違うところなのではないかと思います」と返答。最後に「長編作ってみたら「全然違いました!」かもしれません(笑)」と補足し、会場に笑いが起きていました。

 今回のサツゲキでの開催は、BABEL LABEL「2045」に所属する脚本家の本間おとの紹介により決まりました。本間は最後にMCから紹介を受けると「皆さん来ていただいて嬉しいです。サツゲキがオープンした頃からバイトで4年間働いており、サツゲキ愛が強すぎて今日も(BABEL LABELのスタッフとして)来ることが出来て嬉しいです」と話しました。登壇者の最後の挨拶では、林田は「今日は貴重な機会をありがとうございました。まだまだ本当にこれからですが、たくさんの作品を出して、また新作を携えてここに来れるように頑張っていきますので、引き続きよろしくお願いいたします。」と述べました。小野は、「今日は本当にありがとうございました。林田さんに同じく自分もまた頑張って帰ってこられるように、また皆様とここサツゲキでお会いできるように頑張りますので、応援よろしくお願いいたします。」とそれぞれ語り、イベントは幕を閉じました。

部屋にビデオゲームをしている人達

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