シネマパレット
(
沖縄 )
〒900-0015 沖縄県那覇市久茂地1-1-1 9F

- 上映作品
- 『パレード』『帰ってきた あぶない刑事』『青の帰り道』
- 上映期間
- 11月21日(金)〜11月27日(木)
- 登壇日
- 11月24日(月)
- 登壇者
- プロデューサー スターサンズ 行実良、BABEL LABEL 道上巧矢

▶︎Netflix映画『パレード』(2024)
(監督・脚本:藤井道人 プロデューサー:道上巧矢 BABEL LABEL制作)
▶︎『帰ってきた あぶない刑事』(2024)
(監督:原廣利)
▶︎『青の帰り道』(2018)
(監督・脚本:藤井道人、脚本:アベラヒデノブ)
パレード/Courtesy of Netflix ©2024「帰ってきた あぶない刑事」製作委員会 ©映画「青の帰り道」製作委員会
上映スケジュール
11月21日(金)『帰ってきた あぶない刑事』
11月22日(土)『青の帰り道』
11月23日(日)『青の帰り道』
11月24日(月)Netflix映画『パレード』※舞台挨拶付き(登壇者:プロデューサー/スターサンズ 行実良、BABEL LABEL道上巧矢)
11月25日(火)『帰ってきた あぶない刑事』
11月26日(水)『青の帰り道』
11月27日(木)『帰ってきた あぶない刑事』
※劇場HPはコチラ
舞台挨拶レポート
この度、「全国ミニシアターキャラバン」第13弾として、11月24日(月・休)Netflix映画『パレード』上映後に、BABEL LABEL所属プロデューサー:道上巧矢と、ゲストとして、スターサンズ 行実良さんが登壇する舞台挨拶が実施されました。
本企画は、BABEL LABELが15周年の節目に、 BABEL LABELを育て、支えてくれた原点であるミニシアターに監督やプロデューサーが感謝の気持ちを伝えにいくという目的で始まりました。
沖縄県・那覇市は、青い海に面し、琉球王国の歴史と文化が息づく場所に位置しています。そんな那覇市には、独自の文化が根付いた地域独特の空気が流れていました。そんな那覇市の国際通りに面した大型商業施設(パレットくもじ)の中に、1991年に開業、「大人の映画館」をコンセプトに2017年7月にリニューアルし、過去の名作やマニアックな作品、アート系作品を中心とするラインナップで映画好きから愛され続ける映画館「シネマパレット」があります。


そんな、「シネマパレット」で、11/21(金)から、“BABEL LABEL全国ミニシアターキャラバン”がスタート、劇場の外からは場内への繋がる重厚感のある木造の扉が二つ見え、その間に劇場スタッフの方々によって飾られた、15周年キャラバンのパネルや作品パネルが出迎えてくれました。そんな、賑わいを見せる劇場で、BABEL LABEL道上巧矢プロデューサー、 スターサンズ行実良プロデューサーが登壇するNetflix 映画『パレード』の上映後舞台挨拶がスタートしました。

まず、本作に携わるようになった経緯を聞かれると、行実Pは、「藤井監督の『Village』という作品を撮影し、その後弊社の河村プロデューサー(故)と一緒に藤井監督に、タイトルは異なるものの、本作の企画について「パレード」の前身になるような話をしました。その1週間後くらいに河村が亡くなりまして、本企画をどうしようかというところに立たされました。そんな中、藤井監督は河村の残してくれたヒント・物語のストーリーラインをベースに、3~4日くらいで脚本を書いてくれ、僕に渡してくれました。大切な人を無くした喪失感の実体験の生の感情をそのまま脚本に記したというのが今回のパレードという作品になります。もともとマイケルというキャラクターも登場していなかったのですが、河村を模したような形で作りました」と、本企画の完成に至るまでの想いとともに経緯を話してくれました。
続いて、沖縄、宮城・仙台、東京で撮影を行った中で、一番印象に残っているエピソードについて、道上Pは「沖縄ロケの機動隊のシーンで、当日機動隊のエキストラの数が足りず、衣装に着替えて参加することになりました。その時に指揮官が必要となり、藤井監督からやってくれないか?となりまして。実は劇中で“突撃―!”」と叫んでいるのは僕なのです」と沖縄撮影でのエピソードを告白。「さっき役者さんも監督も来なくてすみません。と言いましたけど、出られていましたね」と行実Pからツッコミが入ると、場内は笑いに包まれ、プロデューサーとしても、出演者としても奮闘した大変ながらも楽しかった沖縄ロケでの思い出を振り返りました。
プロデューサー陣のユーモアと熱意あふれるエピソードに会場の雰囲気が一層温まったところで、客席との質疑応答コーナーに突入。
現在絶賛公開中の藤井監督作品『港のひかり』が河村プロデューサーとの最後の企画だということについて、現在の心境を問われると、行実Pは「そうですね、河村が残した企画書はまだまだいっぱいあったりするんですけど、一旦藤井監督と『港のひかり』というとこまで、映画としては最後ですかね。『港のひかり』の舞台挨拶の時に藤井監督も『いたらいたで大変だったのであんまり寂しくありません』というふうに言っていましたが、その先にいっちゃったという感じがまだ実感としてはなくて…」と語った後、行実Pはスターサンズの社名に込められた河村Pの哲学に話を進めました。「スターサンズという社名は、河村が1970年の沖縄に学生運動で来ていた時、その時に拾った『星の砂』というものがありまして、それをうちの会社、スターサンズという社名にしているのです。河村は、『星の砂は、貝の時代をビンに詰めることによって、もう一回生き返る、価値が出る。そして映画も見るたびにその時代や、その場所に戻ることができるから、何度でも何度でも蘇る、そういう意味を込めてスターサンズという名前をつけた』と言っていました」
そして、映画『パレード』への想いを込めて、「映画を通して本作の中にマイケルという形で封印したかなと思うので、映画を制作し続ける以上ずっとそばにいてくれるかなと思います」と深いつながりを語り締めくくりました。

あっという間に時間が迫り、最後に登壇者から客席の皆さんへメッセージが送られました 。
行実Pは最後に「映画『パレード』はNetflixさんでまだまだ配信しております。もしよろしければ、この作品にもう一回会いたいなと思っていただけるタイミングがありましたら、Netflixさんで観ていただければと思います。そして“この作品よかった”と思ってくださったら、周りの方にもぜひ伝えていただけたらと思います」と観客に呼びかけた 。その上で、行実Pは「スターサンズとしては、この『パレード』の企画をスタートさせるにあたり、「大切なものを急に失った喪失感の表現」ではなく、「その喪失感を埋める一つの手法の提案」ということで、この企画をスタートさせました。人生生きていれば、別れのタイミングが来てしまうことは避けられないのかなと思っています。ですが、もし大切な人が幽霊となってあっちの世界で映画を作っていたなら、そして現世の思い出も糧にして楽しく過ごしていただけたら、僕達はもしかしたら喪失感を幸せに感じることができるかもしれない、そう思いこの作品を企画しました。何か喪失感を埋める方法の提案としてこの作品を受けとめていただけたら嬉しく思います」と本作に込めた深い制作意図を改めて伝えました。
続いて道上Pは、「個人的な話になるのですが、沖縄に今も住んでいる叔母さんがいまして、その息子である、顔もや雰囲気も似ている同い年のいとこがいるんですけれども 、本作のロケハン中に亡くなったという連絡を受けました。沖縄でこういった内容で撮影をこのタイミングで自分の身にかかるのは”おかしな運命のようなもの”を感じました。僕にとっても特別で大切なこの作品を、お世話になった沖縄の地で劇場上映の機会を与えていただいたことはすごく感謝でいっぱいですし、生きてる以上誰かと別れることはあり、その上での喪失というものは絶対ついて回るものだと思いますので、心に悲しみを抱えた方々の背中をそっと押せる作品であり続けてほしいと願っています。と思います。今回観ていただいていいなと感じてくださったら、また観ていただいたり、周りの方に伝えていただけると、とても嬉しいという気持ちでいっぱいです」と改めて感謝を伝えました。
最後に、このキャラバンを通して実施されている「旅するパネル」との記念撮影へ。このパネルには、「あなたにとって、ミニシアターとは?」という質問に対して、これまでキャラバンを巡ってきた各地のミニシアター支配人の方々から、寄せ書きのように答えていただいているもので、今回は、シネマパレットの國場マネージャーから「こじんまり 石の上にも三十年 これからさらに続けていきます」という素敵な言葉をいただき、温かい拍手の中、舞台挨拶は幕を閉じました。

